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リレーインタビュー

秋本則政/二又博之 『知・時空間情報』を使った新たなサービスの可能性とは------ ゼンリンに聞く
執行役員 事業開発本部長/事業開発本部副本部長
秋本則政/二又博之

インタビュアー鈴木潤一鈴木 潤一(すずきじゅんいち):日本情報処理開発協会 研究員
日本電気(NEC)に入社。日本で初めて勘定系システムにおけるISO9001取得の実行責任者として活躍。 日本オラクル転職後、データベース管理システムの講師を経て、製品マーケティング部において、当社主力製品であるOracle8の出荷管理から技術マーケティングまで全て行う。
サンマイクロシステムズ転職時、当時出始めのEnterprise Javaに関する啓蒙、普及に努める。 再び、日本オラクルに戻り、Webサービスのエバンジェリストとして活躍。SOAPを用いた日本の大手ベンダーと世界初めての相互接続実験を成功に導く。 BPMソフトのエピアンス社の立ち上げを行う。インドのバンガロールとシリコンバレーとでインド人とともに開発のマネジメントを行った。 その後、当時、経済産業省で始まった情報大航海の理事企業として参画。 現在は、日本情報処理開発協会(JIPDEC)の研究員として、個人情報の利活用の制度設計を行う。

収集・管理・提供という独自の「知のサイクル」で、インフォメーション・デザイナーとして地理空間情報の創造に取り組んできたゼンリン。『知・時空間情報』から生まれる多種多様な事業領域にはどのようなものがあるのか、JIPDEC鈴木 潤一が、執行役員 事業開発本部長 秋本則政氏と、事業開発本部副本部長 二又博之氏に聞いていく。

インフォメーション・デザイナーとして役立つ情報を提供し、人々の生活に貢献

鈴木) まず最初に御社の企業概要のお話をお願い致します。

秋本氏) ゼンリンは今年で62年目になります。地図をベースにした会社でありまして、住宅地図のシェアの多くを頂戴しています。住宅地図についてはデータベース化した様々な事業を展開しています。ナビゲーション、電子地図など世界でお使い頂いております。我々の認識としてはGoogleさん、 Yahoo!さんを通じて、多くの方が地図を普通の行動、活動の中で使って頂いていると思います。

例えば、会社の中で、宴会、飲み会をする際に普通のパソコンで検索して地図を使うようになったのは良いことだと思っています。反面、便利になった分だけ地図に対する価値が相対的に落ちてきていると感じています。端的に言いますと、ただの地図だとそこにお金を払う人がいなくなってきました。地図だけではお金を払う行動に移っていかないということです。我々は事業として捉えたときに、どこでビジネスを成立させていくかが大きな課題になってきました。利用者が増えたことは良いことですが、反面、企業側ではもっと提供の仕方を工夫しないといけないし、それを求められるようになってきました。ゼンリンは今から2年前に高山社長に交代致しました。我々のビジネスの環境が急激に変わってきていますので、我々自身もマーケットの要求に応えて、環境に適用した事業体系に変わっていこう、企業体質の改善や強化を図っていこうとしています。

2年前から「知・時空間情報の創造により人びとの生活に貢献します」という新しい企業理念を基に事業の改革に取り込んでいるのが現在の状況です。ゼンリンはインフォメーション・デザイナーとしてあらゆる活動に役立つ情報を提供していく企業になっていきたいと思っています。従来の空間情報に経年変化情報である「時」と、「知」が加わり、『知・時空間情報』と新しい言い方としていて、これから事業を行っていくベースの考え方となっています。


執行役員 事業開発本部長 秋本則政氏

鈴木) 少し古い話をさせて頂きたいのですが、もともとは住宅地図から始まって、非常に細かく足で作ってきた歴史を感じるのですが、九州が発祥の地ですか?

秋本氏) もともと九州、大分の会社で別府の温泉街の観光ガイドブックが始まりです。別府を訪れた観光客の興味が、観光ガイドよりも地図にあったことから詳細な地図作りを決意し、これがのちに住宅地図作りに進出するきっかけとなりました。

鈴木) 住宅地図を作って行く時に苦労した点はなんでしょうか?

二又氏) 年次更新していかなければいけないので人手をかけてメンテナンスしなければならない点です。住宅地図はもともと全国各地のいろんな企業が作っていました。九州から少しずつ関東へ広がり、関東から東北、北海道へ地図を全国くっつけていく、全国制覇に苦労されたと聞いています。

鈴木) 伊能忠敬のようですね。

二又氏) 紙の地図を調査して書いていて、トレースして、印刷していました。デジタル化ができたのが1984年です。それまでは全くのアナログで地図を作っていました。

鈴木) 1984年とは早い時期ですね。電子化を先駆けてやったということですよね。その当時はコンピュータの性能が低い中で電子化はかなり大変だったと思いますが。

秋本氏) 他社よりも電子化を戦略的に取り組んだのが早かったのです。それがその後のビジネスの広がりのベースになりました。

収集・管理・提供という知のサイクルを回すことで価値創造

鈴木) 先程、冒頭でお話された従来の空間情報に「知・時」が加わり、『知・時空間情報』となって、今後どのように展開していくのでしょうか。

二又氏) それは、ゼンリンの持っているデータベースを地図ではなく、新しい概念として『知・時空間情報』として定義しました。これから来る情報社会で、『知・時空間情報』を「収集するノウハウ」、「管理するノウハウ」、「提供するノウハウ」それぞれをブラッシュアップしまして、皆様にお届けしていくことを行います。具体的には、空間情報に経年変化情報を加え時空間情報のライブラリー化を行い、それを適切に必要な方に合わせた形で、価値をつけて提供していこうとしています。

時空間情報を、適切な形に、価値をつけて提供したものが『知・時空間情報』なのです。地図はあくまでも地図として存在しますが、地図の上に様ざまなコンテンツを追加し、価値を追加した上で提供するということです。収集、管理、提供という知のサイクル回していくことで、我々の持っているデータベースがより効果的に価値あるものになります。それを必要な方に必要な情報として提供するということです。


事業開発本部副本部長 二又博之氏

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